↓メインコンテンツへスキップ

5. なぜ日常の質量の大部分は QCD から生じるのか

クォークとグルーオンのエネルギー #

QCD はクォークとグルーオンの色相互作用です。グルーオン自身も色荷を持ち、相互作用します。陽子にはクォークの運動、グルーオン場、相互作用のエネルギーがあります。価クォーク記号 uud は質量の収支表ではありません。

尺度で変わる結合 #

大きな運動量移行 Q で一ループ近似は

αs(Q)≃4πβ0ln⁡(Q2/ΛQCD2),β0=11−23nf.\alpha_s(Q)\simeq\frac{4\pi}{\beta_0\ln(Q^2/\Lambda_{\rm QCD}^2)},\qquad\beta_0=11-\frac23n_f.

nf は活性クォークのフレーバー数です。この式は摂動的な領域と定めた繰り込み方式で使います。分母がゼロになる点を陽子質量の計算法にしてはいけません。Q が大きいほど結合が小さくなる性質が漸近的自由です。

低エネルギーでは格子 QCD などの非摂動的方法が必要です。閉じ込めは、自由な色付きクォークを漸近状態として観測しない現象です。単なる色の相方不足ではありません。カイラル対称性の破れは関連しますが、同じ概念ではありません。

繰り込みは理論に尺度を導入します。核子質量をクォーク、グルーオン、異常の各寄与に分ける方法は演算子、尺度、方式に依存するため、普遍的な厳密な「99%」の円グラフにはできません。

出典と発展的な読書 #

目次 · 前の章 · 次の章