3. 相対論における質量とエネルギー
不変質量と全エネルギー #
不変質量 m は慣性観測者によらず同じですが、エネルギー E と運動量 p は基準系によって変わります。
p は三次元運動量の大きさです。静止時は E₀=mc²、運動エネルギーは K=E−E₀ です。無質量の光子では E=pc。運動させても同じ粒子の不変質量は増えません。
系全体の質量 #
エネルギーと運動量をそれぞれ合計すると
全運動量がゼロの系では Mc²=Etot です。束縛は分離した構成要素の質量和より全質量を小さくします。核子の質量は強く相互作用する QCD 状態のエネルギーであり、三つのクォーク質量を足しただけではありません。
自然単位 ℏ=c=1 では質量を GeV と書くことがありますが、SI に戻すと GeV/c² に相当します。同じエネルギーの二つの光子が反対向きに進むなら、全運動量が相殺し、系の質量は 2E/c² になります。